パーカッション スクール案内

魂を揺さぶる鼓動〜タヒチアンダンスに欠かせない音楽〜

タヒチの音楽

南太平洋の島々ポリネシア地域には、木材・竹・椰子・ほら貝など、豊かな自然素材を用いた特徴的な楽器がいくつかあります。これらの自然素材由来の楽器達が生み出す「音」や、その音に伴う「振動」は、どこか原始的で太古の昔を思い起こさせるような、そんな響きを感じさせます。まさに「本能」を揺さぶる鼓動と言えるでしょう。
民族音楽研究の尺度では、ポリネシア民族が音響工学の知識に乏しく、ほとんど自然素材をそのまま楽器にしていることから、「未発達」とも言われています(若林忠宏著, 世界の民族音楽, 東京堂出版, 2005)。しかしながら、このことを違う側面から見ると、それだからこそ、彼らが生みだす原始的な音が、私たち現代人の魂に深く響き、そこはかとなく共鳴してしまうのです。

タヒチアンパーカッション紹介ムービー        協力:Tahiti Ora

ミュージシャン練習風景(タヒチ島Punaauiaにて)

オーケストラ演奏〜PAOA,HIVINAU(Heiva I Tahiti 2014より)

楽器紹介

タヒチの伝統的かつ代表的な文化である「ダンス」と常に一緒に存在してきた「音楽」。 打楽器「TO’ERE(トエレ)」に代表されるタヒチアンパーカッション、歌(Himene:ヒメネ)、タヒチアンウクレレ、オーケストラ・・・
ここでは、その中でもとくに、「打楽器」の一部に焦点を当ててご紹介していきましょう。

TO’ERE(トエレ)

タヒチの楽器の中で、最も特徴的象徴的。オーケストラの先導であり、花形的存在。 ずんどうの丸太を縦に置き、スリット状の割れ目から木材の中身をくりぬいた外観。 製作者によって、様々な美しい彫刻がなされている。
円錐状のバチ1本で叩くスタイル。木材の質や大きさによって音の高低差があり、乾いた音が鳴り響く感覚。 大きいもの(grand)からミドルサイズ(kawa)、小さなもの(rima)まで、各種サイズがあり、横置きして叩く場合もある。

FA’AKETE/FA’ATETE(ファアケテ/ファアテテ)

ヤギの皮を張った小ぶりの太鼓。2本のバチで素早い連打音を叩き続ける。
音の高低差のあるFA'AKETEを複数個用いることもある。

TARIPARAU(タリパラウ)

牛の皮を2枚張った大ぶりの太鼓。低く太い音で、基本的にはバチ1本で、オーケストラの基調音となる拍子をとる。 紹介動画中にあるような、バチの2本使いをしたり、様々なバリエーションのリズムをとる、拍子を外すような叩き方をするようになったのは、最近のことのようである。

IHARA(イハラ)

竹で作られた楽器。竹の胴体の縦方向に、まっすぐの割れ目が複数入っており、バチ1本もしくは2本で叩く。参考写真のIHARAは、棒状にした竹を複数束ねているタイプ。
トエレとはまた違った乾いた音で、曲中にポイント使いをすることで、印象的なアクセントが加わる。
文献によっては、「雨が降ってきたような音」とも表現されている。 写真のIHARAは、他の楽器(TOERE KAWA & RIMAなど)とセット組みされており、まとめて「COMBI(コンビ)」と呼ばれている。

PAHU TUPA’I(パフトゥパイ)

サメの皮を張った背の高い太鼓。太く低い音。立ったまま両手で叩く。

*出典・参考文献*
若林忠宏, 世界の民族音楽, 東京堂出版, 2005
Marion Fayn, Ori tahiti LA DANSE à TAHITI ,SURVOL, 2007
タヒチ観光局資料